ボクシングを見る人は、カットマンという言葉を聞いたことがあると思います。

その名のとおり、選手がカットした傷を治療する人のことです。

なかなかよくわからないことが多いので、だいたいのことを知っておいたほうがおもしろいです。

 

いまよく見る名カットマンといえば、ルディ・エルナンデスですね。

プロボクシングでは、1ラウンド3分の試合のインターバルの休憩時間1分があります。

この休憩時間の1分に間に、セコンドができることが決まっています。

セコンドというのは、ライセンスをもっている関係者です。

主に、トレーナーがライセンスをもっています。

 

セコンドは、1選手あたり、3人つけることができます。

チーフセコンド1名とアシスタントセコンド2名の3名です。

チーフセコンド1名は、リングに入ることができますが、アシスタントの2名はリングに入ることはできません。

チーフセコンドは、チーフトレーナーがつとめるのがふつうです。

アシスタントトレーナーの2人のうち1人は、カットマンになるのがふつうです。

アシスタントトレーナーのもう1人は、ライセンスをもっている関係者になります。

アシスタントトレーナーのカットマンでない1人は、雑用の仕事なので、ライセンスをもっていれば誰でもできます。

 

チーフセコンドは、選手に指示したり、アシスタントセコンドに指示する役割になります。

全体を統括するリーダーです。

アシスタントセコンドの1人は、椅子を出したり、マウスピースを洗ったり、選手に水を飲ませたり、タオルで汗を拭いたりといった雑用をこなします。雑用といっても非常に大切な役割です。もたもたしていると選手の疲労に影響しますので、試合の結果を左右しかねない仕事です。

カットマンは、選手の傷をメインに仕事をします。

したがって、傷がなければ、雑用のお手伝いになりますが、打撃を受けることがゼロというのは、まれですから、なにかの仕事があります。

まず、当たった部位を冷やす仕事は必ず発生します。

腫れを抑えて、出血しないように気をつけなければなりません。

氷のうやエンスウェルという金属を冷やしたもので、打撃を受けた部分を冷やします。

 

出血をするとたいへんな仕事になります。

出血を止めるという非常に重要な仕事が発生します。

アドレナリン液(商品名:ボスミン)を傷口に綿棒などを使用してぬり傷口を圧迫して、止血します。

アドレナリン液というのは、血管を収縮させる作用がある薬です。

ボスミンという商品だけ使用することができるようです。

そして、ワセリンをぬって、グローブをすべらせることで、傷口を広げないようにします。

 

出血して目に入ったりして、選手が思うように動けないと困りますし、そもそもレフリーに出血がひどくて試合を止められれば、TKO負けになります。

非常に大事な仕事になります。

 

試合を見るときは、セコンドの仕事の状況をみるのもおもしろいものです。

しっかりやってるなー、と思う時もあるし、ちゃんとやれよ、と思う時もありますね。

会場観戦では、声も聞こえるときもあるので、よくわかります。

 

こういう臨場感も楽しみたいですね。

本気の戦いが見れます。